催事のお知らせ

2013年 同志社大学生8人グループによる卒業研究

『継承の革新』

文化財未来継承プロジェクト(綴プロジェクト)を卒業研究テーマに

同志社大学生(2013年度卒)の8人が、京都や日本文化に関する卒業研究テーマとして「綴プロジェクト」に着目、論文を書いてくれました。こちらでその短編とそれぞれのコメントを紹介いたします。

もくじ論文を読む皆さんのコメント

同志社大学の学生たち

「継承の革新」

  • 濱田祐樹
  • 平原誠也
  • 清本稔生
  • 中垣智裕
  • 青木のどか
  • 浅岡彩子
  • 北村真里奈
  • 堤史乃
  • 目次
  • はじめに(濱田・平原・中垣)
  • 1章:継承への第一歩(濱田・平原・中垣)
  • コラムⅠ「綴プロジェクト」(青木・浅岡
  • 2章:マルチユース(北村・清本)
  • コラムⅡ「京都モデル」(青木・浅岡)
  • 3章:空間をレプリカする(北村・清本)
  • 4章:レプリカに命を吹き込む(北村・清本)
  • コラムⅢ 「アーティスト 裕人礫翔」(青木・浅岡)
  • コラムⅣ 「表装表具屋 横山清和堂」(青木・浅岡)
  • 5章:レプリカの是非(濱田・平原・中垣)
  • おわりに(濱田・平原・中垣)
  • 参考資料
  • 聞き取り調査:2011/5/31 京都文化協会1回目
  • 聞き取り調査:2011/6/29 立命館授業
  • 聞き取り調査:2011/7/14 中沼アートスクリーン
  • 聞き取り調査:2011/8/7 横山清和堂1回目
  • 聞き取り調査:2011/9/9 Canon
  • 聞き取り調査:2012/10/22 京都文化協会2回目
  • 聞き取り調査:2012/11/23 裕人礫翔氏
  • 聞き取り調査:2012/12/2 横山清和堂2回目

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はじめに

継承とは、それぞれの時代において形を変えて成されている。伝統の継承において、昔は興味関心が無かったとしても、世襲であったり、需要があったからこそ継承は成りたっていた。しかし、現在では時代の移り変わりによって需要が減少し、それに合わせて継承の形も変化してきている。伝統文化に対して需要の少ない現在では、まず興味関心を持ってもらう事が継承をスタートさせるきっかけとなるのではないか では、そもそもなぜこの事について研究しようと思ったのか。それは、建仁寺で見たある光景がきっかけである。そこには今まで教科書で目にしてきたような文化財が剥き出しの状態で置かれ、それはさも、そこにあって当然であるかのように見えた。近くに寄り、ふと作品紹介に目をやって、初めてその作品がレプリカであり、元々その場所にあるべきだったはずの文化財のレプリカである事を知ったのだ。このように、自身の文化財・文化に対する知識の乏しさをひしひしと痛感した事が、今の継承の形に疑問を抱かせた。なぜ我々はこれほどまでに知識が乏しいのであろうか。その答えは文化財の現状にあった。そもそも日本の文化財というものは、主に掛軸や襖絵・屏風に見られるように紙でできた脆弱な素材を使用している作品が多い。つまり、日照・雨風・気温・湿度といった自然現象に非常に弱い存在なのである。その自然現象が原因でシミ・カビ・退色が文化財に生じる危険に常に晒されている 。そうした危険から文化財を守る為、文化財保護法や文部科学省指定の「国宝・重要文化財の公開に関する取扱要項」 などが取り決められている。こうした取り決めによって文化財が保護されているのは確かである。しかし、これには良い面ばかりがある訳では無い。保護を優先するあまりに弊害が生じるのである。例えば、キトラ古墳の様に保護を優先した結果、人の目に触れない内にカビなどに侵されている 事もある。見る事が制限されているがゆえに、認知する機会が少なく、認知する前に文化財の損壊が進行する可能性もある。この様な現状では文化財に対する興味関心を抱く機会すら奪われてしまっている。そんな中、どのように文化知識を継承していけばよいのであろうか。このまま特定の人物だけが目にする現状で多くの人たちの記憶から忘れ去られ、伝統ある文化財は滅びゆくのだろうか。そこで本論文では、我々が建仁寺で目にしたレプリカを製作している綴プロジェクトの活用方法を参考にレプリカの必要性及び、現代に則した継承の在り方を紐解いていきたい。まず1章では、基本的な継承への流れと共に文化財の代替品にはどのようなものがあるかについて述べていきたいと思う。

参考元:福森大二郎 2010年 『文化財アーカイブの現場―前夜と現在、そのゆくえ』 勉誠出版、p(6)
参考元:文部科学省「国宝・重要文化財の公開に関する取扱要項」
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t19960712001/t19960712001.html
(2013/01/15アクセス)

参考元:47NEWS 「朱雀にカビ見つかり除去 キトラ古墳」
http://www.47news.jp/CN/200606/CN2006060201004129.html
(2013/01/15アクセス)

論文の続きを読む方はこちらからどうぞ。「継承の革新」短編

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濱田祐樹

綴プロジェクトの研究には、複製品の是非が切っても切り離せません。実際に建仁寺で行ったアンケートの回答にも賛成・反対意見が見られました。しかし、皆さんの思っている複製品と綴プロジェクトの複製品は別物であると考えています。その事については卒業論文に記していますのでぜひ読んで頂きたいと思っています。
また、文化財と空間の融合によってもたらされる大きな感動を味わい、文化財に関心を持つ人が増えていく事を願っております。
最後になりましたが、この卒業論文を完成させる事が出来たのは、私達の研究に協力して下さった綴プロジェクトの関係者の方々、また班員の協力があってこそ出来た事であると思っております。 本当に有難うございました。

平原誠也

複製品とは何か?複製品を作る事はオリジナルである本物を堕とす事に繋がるのか?そもそも何の為に複製品を作るのか?様々な問いがこの卒業論文作製に伴い、生じてきました。
複製品はその活用を巡り、評価の岐路に立たされています。
今後、どのように複製品を活用する事で新たな文化財保護のスタンダードを作り上げていくのか。それこそが複製品の最大の課題であり、役割である様に思います。まだまだ知識不足であり、稚拙なところも散見されるかと思いますが、複製品に対する評価を見直すきっかけを作る事に少しでも尽力できれば、と誠に恐縮ながらも掲載させて頂きました。
最後に共に論文を作製したゼミの班員、また綴プロジェクト関係者様に感謝の意を示したいと思います。本当に有難うございました。

清本稔生

綴プロジェクトの研究に携わったことで、文化財に関する感心がより高くなり、レプリカに対する考え方も変わりました。初めて、風神雷神図屏風を見た時に、レプリカとわかりながらもとても感動を受けました。普段、目にする事の出来ない文化財が目の前にあり、そこにあったであろうという雰囲気を味わう事が出来ます。この2つの要因が私を感動させました。そのきっかけをくれたのが綴プロジェクトでした。私は、研究してきた事を多くの人に知ってもらい、私の様に感動する人を増えていって欲しいと思っています。

中垣智裕

私は文化財未来継承プロジェクト(綴プロジェクト)を卒業研究のテーマとして携われたことで、このプロジェクトが新たな文化財の継承の可能性を広げていることに気付くことが出来ました。オリジナルの文化財は、時間の流れと共に劣化してしまい、オリジナルの文化財を見せることが出来ない事態に陥ってしまいます。その事態を救済するのが綴プロジェクトなのです。私は始めて建仁寺で″風神雷神図屏風″を見た時、本物だと勘違いしたほど精巧に作られていました。その背景には京都の金箔士や表装表具の職人が携わっていました。ですから、たくさんの方々にぜひともこのレプリカを見て、私が受けたような感動を受けて欲しいと思います。
今後、私ができることは限られていると思いますが、微力でもこの綴プロジェクトの一ファンとして応援し続けていきたいです。

青木のどか

2年半の調査の集大成となる卒業論文をみんな一緒に作り上げた時間は、これからの自分にとって大きな糧となると思います。班のみんな、そして、卒業論文に関わって下さった全ての人に感謝の気持ちを伝えたいです。
ありがとうございました。

浅岡彩子

卒業論文を終えて、私は綴が人々の心に与える影響の大きさを改めて知りました。そして仲間と何度も集まり、京都の職人の方々やお寺の研究をした日々は社会人になったら経験出来ない貴重な体験となりました。この研究は、私にとって京都の事をもっと好きになったきっかけの1つですし、学生時代のかけがえのない思い出となっています。

北村真里奈

私が綴プロジェクトと初めて出会ったのは、部活動で建仁寺を訪れた時でした。
その日から早2年半、綴プロジェクト作品を通して文化財の大切さや文化財教育の重要性など、研究を通して様々な事を知り、非常に充実した経験をさせていただく事が出来ました。
最後になりましたが、卒業研究作製にご協力頂きました方々に心から感謝いたします。


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