
京都文化協会がこれまでに培った文化財撮影の経験とキヤノンの持つ最新撮影機器及び画像処理技術を融合させ、対象文化財に最も適した撮影方法を選択しています。デジタル一眼レフカメラ「EOS-1Ds MarkⅢ」と0.1mm以下で動きを制御できる専用旋回台を使用し、対象文化財に対し多分割撮影を行います。多分割撮影されたデータはパソコン上で合成を行い、屏風1曲あたり2億から3億画素に仕上げています。画像処理時における劣化は最小限に押さえられており、またレンズ収差による「ひずみ・ゆがみ」などの補正も施されます。
| カメラ | EOS-1Ds Mark Ⅲ |
|---|---|
| レンズ | EF300mm F2.8L IS USM |
| 雲 台 | キヤノンプレシジョンと共同開発の自動雲台 |
| ストロボ | 580EX IIワイヤレス多灯システム |

取得された高精細デジタルデータに、照明の違いによって生じる色の見え方を補正するための特殊な画像処理を行います。社寺や博物館など、展示場所によって異なる固有の照明環境に応じた調整を施し、忠実な色再現を実現します。
従来は文化財と出力したプリントの色を一回の印刷で厳密に合わせることが難しく、微調整を繰り返しながら何回も出力し直すことで色合わせを行っていいましたが、高精度なカラーマッチングシステムを導入したことで、時間が飛躍的に短縮され、文化財への負担を最小限に押さえられるようになりました。

日本的な美の極致ともいえる水墨画の繊細な濃淡、陰影が生み出す立体感。12色の顔料インクシステムを採用した大判プリンター「imagePROGRAF」は画像処理を行ったあとのデータを忠実に出力し、経年変化による文化財の微妙な風合い、質感を実物と遜色なく再現します。また、使用する「和紙」は、文化財の出力及び金箔加工などに最適化するため、独自に研究・開発されたものです。これまで難しいとされてきた絹本への出力も、独自開発した絹本を使用することで実現しました。

日本の文化財の最大の特徴である金箔・金泥や雲母(きら)の再現。この再現には、京都西陣の伝統工芸士「箔」工芸作家 裕人礫翔(ひろとらくしょう)が取り組みます。各文化財は、現在までの所蔵者が大切に継承してきたもので、経年変化がその歴史を物語っています。本プロジェクトでは、経年変化を表現する「古色」と呼ばれる風合いを重視し表現、作品の持つ“年代”を再現しています。文化財が制作された時期や産地によって、金箔の大きさなどに違いがあるため、その文化財に適した金箔を随時検証し、使い分けられます。

和紙にデジタルプリントされ、金箔が施された作品は、最終的に表装が施されます。古くから京の地で、表装表具や様々な文化財の修復に携わる横山清和堂の技により、日本独自の表装材料を用い襖や屏風に完成されます。高精細複製作品がより多くの人に作品と接する機会を提供し、新たな日本文化の再認識へとつながっていきます。



















